なぜ人には「好き嫌い」があるのか

○なぜ人には「好き嫌い」があるのか

初対面にもかかわらず、「この人、好き」「この人、嫌い」「この人、ちょっと苦手」と、瞬時に感じてしまうことはありませんか。

なぜ、私たちは、この「好き・嫌い」や「苦手」を判断してしまうのでしょうか。

それは、「好き・嫌い」を、無意識に判断してしまう、脳の仕組みがあるからだそうです。

ちなみに脳には偏桃体という部分があります。

※脳の機能(偏桃体)は、もともと、命を守るためのもの!?

「快・不快」を判断する偏桃体の機能は、本来人間が生きるために欠かせないものでした。大昔、狩猟生活をしていた時代なら、危ない場面や、敵に遭遇した時はもちろんですが、得体のしれない物に出会った時もゆっくり考える暇もなく瞬時に「安全・危険」を判断する必要があったのです。安全ではないと判断したら、即座に「逃げろ!」と「不快」の信号を出して危険を知らせたわけです。現代では、狩猟生活をしていた時代のように、瞬間的に「生きるか死ぬか」、あるいは「戦うか逃げるか」を判断しないといけないような場面はそれほどないといっていいでしょう。

このように脳の研究から、この偏桃体が瞬間的に「安全・危険」、「好き・嫌い」、「快・不快」を判断していることがわかっています。

そして、この偏桃体が「好き・嫌い」、「快・不快」といった判断をする際の材料となるのが、いわゆる「五感」です。

「五感」とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚といったものです。

例えば、初対面のお相手のことを想像してみてください。

もし、その人が過去によく怒鳴られた上司や先輩に似ている人だったら?

偏桃体が瞬間的に「不快だ」、あるいは「この人は嫌いだ」といった判断をするでしょう。

反対に、過去にとても親切にしてくれた人に似ている人だったら?

偏桃体が瞬間的に「快だ」、あるいは「この人は好きだ」といった判断をするでしょう。

その時はその場の感情で、「好きになった」、「嫌いになった」と思っているかもしれませんが、実際は違うのです。

私たちは過去の記憶に基づいて瞬間的に「好き・嫌い」を判断しています。

過去の記憶とは、私たちが過去に経験した出来事や感情と紐づいていますし、人間の感情と過去の体験は切っても切れない関係にあります。

つまり、人間の感情はその場の情報から生まれるのではなく、過去の記憶の蓄積で決定されるということになります。

多くの人は、過去の体験や出来事に紐づいた記憶から、自分の思考や行動(生き方)のパターンを持っています。

そして、無意識に一度できあがった思考と行動のパターンを日々繰り返して暮らしているのです。

このままでは、好きな人は好きなまま、嫌いな人は嫌いなまま、苦手なものは苦手なままです。

何も無理に嫌いを好きにしろと言っているわけではありません。

ですが・・・・・無意識でいつもいつも同じパターンで出来事や人に対して好き嫌いを決定し、意味付けしてしまっているとしたら・・・・

これでは人生において一向に新しい発見や新しい価値観をもたらしてくれないでしょう。

そして、これは好き嫌いに関することだけではなく、何かを始めるとき、チャレンジするときにも同じようなことが起こってしまいます。

知らず知らずのうちにあなたがする判断は、過去の記憶に引きずられることになります。

例えば、過去に何かで失敗した体験があったとします。(失敗した=嫌な気持ち)この記憶を引きずったままだと、同じような場面や体験に遭遇すると、(失敗した=嫌な気持ち)を呼び起こして瞬間的に何かしらの判断をしてしまいます。

この時の判断が、あなたの未来にとって良い結果をもたらす判断ならば良いのですが。

「どうせ、だめだ」、「どうせ、失敗する」、「次もうまくいかないだろう」などといったネガティブな感情の繰り返しになることがあります。

では、どのようにしたら、良い結果をもたらす判断ができるようになるのか。

・人間の感情はその場の情報から生まれるのではなく、過去の記憶の蓄積で決定される。

過去の体験や出来事に紐づいた記憶から、自分の思考や行動(生き方)のパターンを持っている。

NLP(神経言語プログラミング)では、この過去の記憶にアプローチします。

・NLPのNは、Neuro(脳の働き)で、五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を意味します。

・NLPのLは、Linguisutic(言語)で、五感のよって入ってきた情報を言語によって意味づけ、コミュニケーションします。

・NLPのPは、Programing(プログラミング)で、過去の様々な体験を通じて人の脳に組み込まれた思考や行動、生き方のパターンや記憶のことです。

NLPでは、過去の出来事はそのままで、その出来事に対する意味付けを変えることができます。

また、過去の出来事や体験からその人が持つプログラミングを明確にしたり、書き換えたりすることができます。

目の前で現実に起きている現象は変わらなくても、それに対する意味付けや印象、思考を変えることができる心理療法であり、最新の心理学でもあります。

人が抱えるストレス、悩みや問題の多くが人間関係だと言われる現代社会において、それらのストレス、悩み、問題が解決したら?今より軽くなったら?減ったら?どうでしょう。

「嫌いな人」、「苦手な上司」に振り回されることなく、自分の感情をコントロールできるとしたら、明日からの暮らしが随分楽になりますよね。

 

○NLPは脳と心の取扱説明書

このように脳の働きと心の動きを知ること、その取扱い方を身に付けることで、これからの人生の柔軟性と選択肢が増えるのではないでしょうか。

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